オバカンの山
還暦後(オーバー・カンレキ)の山行記録
last update : 2021.02.28
【山  域】北ア・穂高・明神岳五峰  上高地から西南稜往復
【日  付】2011年8月10日
【時  間】小梨平 3:40 岳沢入口 3:55 8号標識 4:15 7号標識 4:25~4:40 尾根 5:45~5:55
      トラロープ1本目終了地点 6:55~7:05 5峰肩のテント場 8:45 5峰 9:20~10:10
      5峰肩のテント場 10:45~11:10
      7号標識 13:40~14:15 河童橋 14:50
【メンバー】単独行
【4泊5日の行動】

8月  9日 朝、自宅出発。列車で松本、新島島へ。バスで上高地入りして小梨平にベースキャンプ(??!)。
8月10日 明神5峰、西南稜往復。詳細は下記に。
8月11日 休養日。上高地散策。
8月12日 前穂高北尾根。詳細は別ページに。
8月13日 下山。帰宅。


【もっと多くの人に登られてもいい明神岳】

今年の五月に明神岳に入ってから今回で早や三回目の明神岳となった。
そこまで気に入るほどにこの明神岳周辺から岳沢越しに見る奥穂から西穂の稜線や明神岳の大パノラマは素晴らしい。
西穂や奥穂に登った事がある人なら無理なくこの明神五峰へも登れるので行かれる事をお奨めします。
ただいわゆるピークハントの目的で登るのではなく、あくまでもまわりの山々の景色を楽しみに登る山なので上高地を出発する時に晴天が約束されていないと登る価値はありません。
頑張れば明神岳二峰までは歩いていけますが、その先、二峰の下降にはザイルで懸垂下降の準備が必要です。



ルート図
ルート(地図をクリックで拡大表示します)

午前零時、準備して前穂高北尾根を目指すはずだったが、どうにも眠い。これでは夜明けまで持ちそうにない。
この睡魔を取るためにもう一眠りして、今日は北尾根ではなく明神岳から前穂高を目指そうと、予定を変更してまた眠りに落ちた。 次ぎに目が覚めたのは3時過ぎ、まだ眠いが何とか行けそう、と準備をし、バナナ1本を食べてからテントを出た。
いくつかのテントは同じように出発の準備をしている。
ヘッドランプを頼りに河童橋を渡り、岳沢入口を目指す。
岳沢下部の樹林帯の台風で荒れた登山道の木道を過ぎると次の目印の7号標識を見落とさないように進むが、起きた時間が遅いのを焦っているのかかなり呼吸の乱れた歩きになって7号標識に到着した。
この7号標識が地図上のどこになるのか同定したくスマホのGPSを入れるも現在地を指し示せない。
かなり色々操作するも動かない。頭上の樹林が濃いので電波が届かないのかも知れないとここでの測定は諦めた。
この7号標識から明神岳五峰西南稜への入口には、進入禁止を意味するロープが張られている。
それほど濃い踏み跡径が西南稜にはついている。
暗がりをヘッドランプ頼りに登るとは言え踏み跡がはっきりしているし、単に上を目指せばよいので径の間違いようもない。
時々ヒザ下程度の熊笹で覆われ踏み跡が見えなくなるので、立ち止まって数メートル先に径を探す。
かき分けるブッシュは全く無く歩きやすいが、この急登に身体は30分も持たず休憩を入れる。
この尾根は、五峰の肩のテント場付近まで終始えぐい急登が続く。
途中2回、尾根上に出る、と言う感じの所があり、2回目の尾根上の向こう側の谷が前明神沢になる。標高2150m付近だ。
尾根に出ても急登が納まる訳でもない。もうイヤだ帰りたいと思うも、せめて夜が明けるまでは頑張れよ、と自分に言い聞かせながら登っていくと、5月の下りで滑落したルンゼから戻ってアイゼンを脱いだところに来た。
そのすぐ先には真新しいトラロープが張ってあった。勿論トラロープに触れることなく登っていくが、2~30メートルほどで終わるのかと思っていたらこれが長い長い。100mはあろうかと感じた。(そんなはずはないと思うが・・・)
そのトラロープの上端は、見上げれば頭上に樹林が無く空が抜けている。
ここなら電波は届くだろうとスマホのGPSをオンにするがやはり動作しない。スマホの故障?と諦めて片付けていると、トラロープがちょうど魚釣りの糸を魚が引くようにグイグイと動いた。 エッ?と思って下を見ると一人の女性が登ってこられたので「おはようございます」と先に声を掛けると、更に下から男性の声で「誰か居るの?」と聞こえてきた。
この2人は、全く息をきらさず登ってきてる。強い人たちだ。
聞けば今日は前穂まで行って岳沢へ下るとの事、なるほどこの強さがないと明神主稜から前穂の日帰りは無理な話である。
後を行く男性は、5~60mの水色のザイルをザックに乗せていた。
当然、このあとこの二人に私が追いつく事は無かった。
この先まだ2本のトラロープが続くがやはり共に長いロープだった。 3本のトラロープが終わると見覚えのある5月に右手(南側)の沢の雪渓に逃げたコルだ。
その先は、樹林の痩せた尾根が急な傾斜でまっすぐ上に伸びていて、右手の斜面へ曲がるようになるとようやく森林限界に近づいたようだ。
森林限界を超えるとやっと傾斜も緩くなり、大展望が広がる。


五峰の頂上から見下ろす河童橋
五峰の頂上から見下ろす河童橋

森林限界から見る奥穂,ジャンダルム
森林限界から見る奥穂とジャンダルム
(ジャンダルムよりロバの耳の方が目立っている)

肩のテント場から見る五峰,四峰,三峰
肩のテント場から見る五峰、左へ四峰と三峰

五峰の頂上から見る肩のテント場
五峰の頂上から見る肩のテント場
(更に下、河童橋は見えないが上高地アルペンホテルが見える)

明神岳本峰側はすっきり見えるが、残念ながら奥穂から西穂への稜線は次から次に雲が湧き出て稜線は見えない。
五峰の肩のテント場は、傾斜が完全になくなり、大展望の中で何張りでもテントは張れそうだが、さすがにこの時期はもうどこにも雪田はなく水は下から担ぎ上げてこないといけないようだ。
これより五峰へは、前半は踏み跡がはっきりしているが、上半分のガレとザレのミックス地帯になるとどれが踏み跡かルートは判然としない。 キョロキョロしながら適当に登っていくと五峰の頂上から河童橋側に5~6m程の稜線に出た。
5峰の頂上で荷を置き、大休止する。
西穂の稜線は、残念ながら相変わらず雲は取れず見えない。
五峰のピークから反対側の梓川を覗き込むと、徳沢はよく見えるが明神池は足下過ぎてよく見えない。激しく急な斜面になっている。
四峰から三峰、二峰の方を見ると、先ほどの二人パーティが四峰の登りの中間部を歩いて居られる。さすがに速い。
ここで三度スマホでGPSの補足を試みるがやはり動いてくれない。 それより、そのスマホの操作中に何度も意識を失った、それほど眠い。
見れば肩のテント場に二人パーティが登ってきた。恐ろしく軽装だ。その内の一人がこの山頂を目指して登ってくる。やはり私と同じ河童橋側に登り着くコースを辿ってきている。
彼が山頂に着く前に私は腰を上げた。
5月に下りすぎて径を見失ったあのコースを確認すべく、四峰への下降点から肩のテント場を目指す径を下り始めた。
しかしこの踏み跡は確かに下っては行くが肩のテント場からは大きく右へずれて行き消えてしまう。決して、途中で左の這松帯を抜ける踏み跡はない。
そうなんだ、四峰への下降点から西南稜へ下ると思われる踏み跡は途中で消えてしまうんだ。
この踏み跡を下に行けば行くほど左の這松帯の幅は広がるので早々に左へトラバースし、這松帯を突っ切って登ってきたガレとザレのコースに出た。
先ほど山頂に達した人も、私の後を追って同じコースを下ってきたが、このガレとザレを嫌って這松帯に戻り、その這松を掴みながらさっさと降りて行かれた。
這松を握るのがイヤでなければそれが一番安全で速い。
肩のテント場には6~8人パーティが登ってきた。さすがに賑やかだ。少し休憩して全員で5峰を目指して登って行かれた。
肩のテント場に降りてきたが、この大展望から分かれるのはまだもったいないとまた小休止を取った。
軽装の2人パーティがスタートしたので私も下り始めた。
5月の時の重い革靴とちがって軽いローカットシューズなので大分歩きやすい。
すぐに2人を追い越すかと思っていたが、山慣れして居られる歩き方ではないのに案外足は速い。
トラロープのところで追い越した。
更にずっと下の方に一箇所径を間違いそうなところがあるが、トラロープから下は目印のテープが随所に巻き付けられているので仮に径を間違えてもすぐに気付く事になる。
7号標識で大休止していると、さすがにそこは岳沢の登山道、次から次に人が通る。でもよく見ていると下りの人の半数ぐらいは足が痛めたという歩き方をして居る。確かに重太郎新道を下ってきたのなら山慣れしていない人にはきつい下りだっただろう。
8号標識の先10mで径は左折する。それより10m先、登りで見れば、倒木帯の木道が終わった20m先に、3~4箇所風穴がある。今まで余裕がなかったからか気が付かなかった。



【上高地のお奨めコーヒー】
河童橋周辺でコーヒーを飲めるところは幾つかあるが残念ながら今ひとつ口に合わない。
そんな中でここはお奨めと言うところがある。
河童橋から右岸を300m程下流の、ちょうど対岸はバスターミナルあたりにある「上高地アルペンホテル」のコーヒーだ。
200円でセルフのおかわり自由の美味しいコーヒーがいただける。
デミタスカップで庭のベンチまでそーとこぼさないように運び終わるとゴクッと飲んでしまうのですぐまたおかわりを入れに行く。
美味しい。
梓川右岸に立地するので岳沢の眺望は望むべくもないが、幸いにも明神岳はその頭を出している。
イヤホーンから「杏里」を聞きながら、昨日の明神岳5峰の記録を書いている。実にいい雰囲気だ。

お奨めのコーヒーと言えば、もう一件ある。
上高地ではないが、北穂高小屋の槍ヶ岳を眺めながら飲む事が出来るコーヒーも実に美味しい。
3000mの稜線で飲ませていただけるコーヒーとは思えない美味しさだ。

【列車で移動】
列車で山に向かうのは何十年振りだろう?少なくとも昼間信州へ列車で向かうのは人生でこれが初めてだ。
松本電鉄の利用もまだ2回目ぐらいだと思う。普段はR158野麦街道を車で走っているので全然気が付かなかったが意外なところに駅が幾つもあった。
何よりも帰路に高速の渋滞を気にせずスッと帰ってこられるのはありがたい。
ただ、今回のように、小梨平までで1日、小梨平から1日、という時間的に余裕のある場合に限られるゆとりだと思う。

【上高地・小梨平で4泊5日】
まず夕食は毎回キャンプ場の食堂でいただいた。上高地にしてこのお値段は非常にリーズナブルな価格だった。
お味は?まあ人それぞれ好みがあると言う事で。
味で差が出ないからだろうか、夕方にはいつも、枝豆とビールで乾杯~と言うお客が居た。
今回はお風呂も利用させてもらった。意外と明るく綺麗で、街の小さな銭湯という感じ。
テント利用者は、出るゴミを全部捨てさせてもらえるのは今時本当にありがたい。車で来たのなら持ち帰りもどうって事はないが、列車で来た者にゴミの持ち帰りはツライものがある。

【上高地散策】
上高地は何度も来ているが実は、バスターミナルから上流しか知らない。
今までそんな調子だから今更ウェストン碑や田代池に関心を抱く訳はないのだが、一つだけ気になっていた事がある。
それはもう20年以上前の年末に、バテバテになって西穂から下ってきた事がある。 下ってきたところで梓川の橋を渡り、左の河原に降りてテント設営し、あまりの疲労にコンロに火を付ける力もなくそのまま寝袋に入ったことがある。 それがどんなところだったのか知りたかった。 そして今回行ってみて、その橋の名が穂高橋というのだと分かったが、当時の面影があるはずもないばかりか今ではたとえ年末でもそんなところにテント設営するのははばかれる程整備されていた。



 2011.08.09~08.13 北ア・穂高・明神岳5峰に関する 掲示板  
  ルート別の各ページに掲示板を用意しています。
  各ルート別のご意見やご質問は、それぞれのルートの掲示板にお願いします。

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