オバカンの山
還暦後(オーバー・カンレキ)の山行記録
last update : 2021.02.28
【山  域】奥秩父・雪(?)の赤岩尾根
【日  付】2014年 1月 7日
【時  間】ニッチツ旧住宅地跡地  7:50  赤岩峠  9:15  赤岩岳北尾根取り付ルンゼ入口  9:25~ 9:30
      ルンゼを登り切った北尾根のコル  9:45  赤岩岳 10:10~10:25
      1583m峰2つ手前のピーク(頂上で右折れするピーク) 10:50
      1583m峰1つ手前の1550mピーク 11:10
      1583m峰 11:35~11:45  P4 12:25  P3取り付のガリー 13:05  P2 13:40
      P1-P2のコル 15:00  P1 15:15  八丁峠 15:45  上落合橋 16:20
      ニッチツ旧住宅地跡地 16:50
【メンバー】単独行

(地図や写真をクリックすると大きいのが別ウィンドウで表示されます。でもIEは?)
(地図はGPSログではありません。ルートは手書きです。)

ルート図
ルート(地図をクリックで拡大表示します)

 赤岩尾根から八丁尾根へと繋いで両神山まで足を延ばす山行は楽しい。
(赤岩尾根:赤岩峠から八丁峠まで、八丁尾根:八丁峠から両神山まで、を言うのだと思う)
岩場の数としては八丁尾根の方が赤岩尾根より多いと思うが、八丁尾根は整備された登山道なのでルート上の全ての岩に鎖が取り付けられている。
それに対して赤岩尾根は場所によってはロープが設置されているところがあるが、それらのロープに頼らないで登るのが基本の野性味のあるコースになっている。
整備はされていないが、踏み跡はかなりはっきりついている。
こう言ったところが赤岩尾根の人気なんだろうと思う。
だから、赤岩尾根の無雪期の記録はネット上に沢山ある。
けれど雪のついた赤岩尾根の記録はなかなか見当たらない。
だったら行ってみよう。

 記録がないので行ってみようは良いけれど、不安は幾つかある。
1.そもそも私の2WDコンパクトカーで取り付地点まで行けるのだろうか?
2.八丁峠から上落合橋までトレースがなければ、夏径通しに降りてこられるかしら?
  上落合橋から八丁峠は植林帯なので、雪が積もるとどこでも道のように見えてしまう。
3.P3への登り口のガリーは薄暗いところにあったので、岩全部に氷が張っていたら厄介だ。
4.スノーシュー、ワカン、アイゼンの履き替えが再三必要ならそれだけで時間かかりそう。
と不安要素は幾つも出てくるが、今回は全くの取り越し苦労だった。
1.取り付点の旧ニッチツ住宅地跡までは、どうやら除雪されているらしくスタッドレスを履いていれば問題なかった。
2.八丁峠から上落合橋は踏み跡が多く、チェーンアイゼンを履いて走るように下って来れた。
3.P3へのガリーの岩は乾いていた。出口は雪があるし凍ってもいたが部分的だった。
4.今回の山行でお世話になったのはチェーンアイゼンのみで、スノーシューは車に置いていき、
  ワカン、出っ歯のアイゼン、ストック、ピッケルは、担いで上がったが全く出番がなかった。



赤岩峠への登山道入口
赤岩峠への登山道入口
「火の用心」の幕が新しくなっている
この下の鉄板を渡って右岸へ


明日(1月7日・火)は、この冬一番の晴天に恵まれそうなのでともかく横浜の家を出発し、いつものように秩父大滝温泉道の駅で車中泊した。 横浜から下の道を夜走ってくるんだけれど秩父は遠い。いつもイヤになる。
翌、1月7日は暗がりのアイスバーンを嫌って、空が少し明るくなりかけてから道の駅を発車した。
有り難いことに、除雪されているらしく順調に旧ニッチツ住宅地跡まで入れた。
正確には、住宅地跡手前の50m~80m程の日影部分だけが凍っていた。
車の中でモソモソ準備をしていたら、後からもう一台車が来て、サッサと準備されて私より先に登って行かれた。


赤岩峠下の右手の岩峰
赤岩峠下の右手の岩峰
落葉の冬にだけ見ることができる

赤岩峠の下
赤岩峠の下
ここは雪が完全に消えている

出発時点で-8℃と少し寒かったが、登り始めて10分程で、暑くなる前にフリースを脱いだ。
峠に近づくにつれて雪が消えていった。半月前の12月21日は30cm超えのラッセルだったという記録があったのに・・


枯れ葉のラッセル
雪ではなく枯れ葉でクルブシまで埋まってしまう


峠の下では雪は完全に消え、枯れ葉のクルブシラッセルになってしまった。


赤岩峠
赤岩峠
わずかながら雪が残っていた

赤岩峠から見る赤岩岳
赤岩峠から見る赤岩岳
左のコルにまず上がります

赤岩峠までは人の登りと下りの足跡が結構あったが、皆さん大ナゲシのようで、赤岩岳への踏み跡は無かった。
ラッキー!!
こんなに雪が消えていて残念なのに、トレースまであったらますますつまらない。


峠から取り付のルンゼへ向かう
峠から取り付のルンゼへ向かう
上州側は北斜面なので少しは雪がある

北尾根コルへのルンゼ
北尾根コルへのルンゼ
鹿とウサギのトレース跡がいくつもある

北尾根コルへのルンゼの入口で、早くもチェーンアイゼンをつけた。
チェーンアイゼンがあると楽なので、ビブラム底で頑張ろうなんて根性は見せない(笑)
でもピッケルもストックもまだ要らない。
学生時代からのオーバーミトンがあれば充分だ。


浅間山
浅間山

大ナゲシ
大ナゲシ。いつ見ても良い形してるな~。
遠景は、なんと北アルプス。

赤岩岳山頂
赤岩岳山頂

すぐ目の前に八ヶ岳
すぐ目の前に八ヶ岳

穂高
穂高

槍・穂高
槍・穂高 右端が槍ヶ岳

五龍から白馬鑓
五龍から白馬鑓

白馬三山
白馬三山
旭岳も目立って白馬四山になっている
白馬の主稜もバッチリ

鹿島槍から白馬
鹿島槍から白馬


北アルプスの眺望を楽しんだら、赤岩尾根の縦走に入ろう。
チェーンアイゼンとボロボロのオーバミトンのいでたちは変わらずです。


1583mピーク手前の1550mピーク
その岩の途中から下を見る。高度感がある。

1583mピーク手前の1550mピーク
1583m ピーク手前の1550m ピークの岩を下から見る

1530m ピークは直角に右折れする。雪が付いているとついうっかり直進してしまう。

1583m ピーク手前の1550m ピークのこの岩が、赤岩尾根上で一番登りにくかったと記憶しているが、今日はハイカットシューズでしっかりしているからだろうか全く難なく通過した。


1583mピークのリッジ
1583m ピークのリッジ。赤岩尾根の名物。

1583mピークの壁の向こうに両神山
1583m ピークの壁の向こうに両神山

その1550 mピークを超えると目の前に赤岩尾根の名物とも言うべき1583mピークへのリッジが現れる。
このリッジを登れるのであれば、赤岩尾根の味も一層増すのだろうが、残念ながらここは右手の斜壁を登ることになる。
リッジを登る場合、取り付が悪そうだった。
それにしても今日は、右手の斜壁にも全く雪がない。夏と何ら変わらない。


1583m ピークへの取り付へのトラバース
1583m ピークへの取り付へ向かうトラロープのトラバース。
ここも雪無し。

1583mピークへの壁
1583m ピークへの取り付から上を仰ぐ。
このトラロープには触れずに右上へ右上へと行く。

1583mピーク
1583m ピーク。

P4,P3とP1を望む
1583m ピークからP4,P3とP1を望む 。
(でも一塊りに見えるので写真では判別は難しい)。
右奥が両神山。

P4
左右に長いP4


1583m ピークから一旦かなり高度を下げて登り返すと左右に長い展望の利かないピークのP4になる。



P3への登り口にある凹角(チムニー?)


P3への取り付にあたる凹角は日影で凍っているかも知れない、薄氷になっていたら厄介だろうな、と覚悟してきたら、なんと陽が当たって乾いている。
しかも出口が広くなったような感じまでする。
ただし、以前あったトラロープは無くなっていた。
出口まで登ると雪は残っていて、凍ってもいたが、氷の範囲が狭いので慎重に移動していけばアイゼンやピッケルと言った氷の道具は要らない。


P2から歩いてきた峰峰を振り返る
P2から歩いてきた峰峰を振り返る
一番手前がP3、その右がP4
一番高いのが1583m ピーク
その後の三山が赤岩岳

P2
P2山頂
標識が薄くなってよく見えない


P2のほんの少し先から見るP1
これが見えたら進みすぎ、もっと手前を左だったはず・・


P3は標識を見落としたらしく、P2まで来てしまった。
ここまで歩いてきた赤岩尾根を振り返って見ておく。
樹林のピークではあるが確かに凸凹が激しい。

そしてP1とのコルへ向かうが、どうしても径が見つからない。
稜線通しを進まず、左手(上州側)へ急激に下降するはず、と言う記憶はあるが今日は北面で雪がついていてどうしても径を見付けることが出来ない。
1時間ぐらい捜すが見つからない。
このままじゃあ八丁峠からの下降が日没になってしまう。
もう木にぶら下がりながらで良いから無理無理下降することにした。
けれども無理がきくのもつかの間で、露岩で下降できなくなった。
また少し上へ径を探しに登り返すかとも思ったが、もう径は諦めて、懸垂することに。
とはいうものの、まさかロープが要るなんて思ってもいないので、ロープはザックの一番底にあり、取り出すのも厄介だ。
懸垂するような所なので足場も悪い。
捨て縄を目立たないように立木にセットし、テープでシットハーネスを作って、8m程をやっと懸垂下降できた。
どうみてもこの先は問題なくP1とのコルへ行けそうだが、退路を断たれないよう念のため、ロープは残したままP1のコルへ向かう。
厄介なことに太股ラッセルだ。速くは進めないが難なくコルに出た。
P2とP1のコルにザックをデポして、ロープ回収に戻った。
ふーっ、ひどい目にあった。でも少しは面白かった。
あとは、雪があるかどうか知らないが、P1への快適なリッジ登りが待っているだけだ。
とわ言え、時間が気になる。P1は諦めて巻くべきか考えながら軽く行動食を摂って、ロープなどをザックに詰め直した。
P1は巻くか登るか決め兼ねながらリッジの末端まで来たら、ここまで来てこの美味しいのをいただかない手はないと、もう登り始めていた。



下降に苦労したP2を振り返る
どこに径があるの?って感じですよね。


P1は、もう目の前


P1へのリッジは、時折雪が残っているが手こずる程ではない。
快適の高度を上げ、頂上直前でいつものように歩いてきた赤岩尾根を振り返って見る。



P1
赤岩尾根の縦走も実質ここで終了です


今一度、歩いてきた赤岩尾根を振り返る


P1から先八丁峠へはトレースが!?
残念ながら、これは横幅が狭く、鹿君のトレースです


崩れかけた祠
これより先には、もう、登りはない


祠から先、八丁峠までは北斜面なので雪が残っていた


八丁峠に到着です


有り難いことに上落合橋と八丁峠の間はかなりの人が歩かれたようでトレースがバッチリ残っていた。
しかも、ほぼ全面的に硬くなった雪が残っていたので、チェーンアイゼンで快調に下って行けた



谷が深く日照時間が少ないのか?
上落合橋は雪で真っ白


上落合橋からトンネル側へは通行止めになっていた


上落合橋の駐車場
四駆ならここまで来れて楽しそう


路面は固まっていたりして滑りそうなので、まだチェーンアイゼンを付けたまま早足で旧住宅地跡を目指す。
それでも 1/3 ぐらい来たところで路面の雪は全部消えている所があり、とうとうチェーンアイゼンを脱いだ。
今日は、チェーンアイゼンが大活躍をしてくれた。



何とか明るいうちに住宅地跡に戻って来れました


無事の下山、今日も一日楽しめました。
P2の下降では多少手こずったりしましたが、その程度のことがあるぐらいの方が面白い。

車のアプローチでは雪が無く、岩場には雪がある、そんなタイミングはどうやら無さそうな赤岩尾根でした。
これで一応、夏冬ともに縦走したとしておきましょう。






大活躍のチェーンアイゼン

赤岩岳北尾根へのルンゼの入口で装着し、上落合橋から車に戻る林道の 1/3 ぐらいまでずっと履いていました。
途中、脱いだのは1550m ピークへの岩場から1583m ピークまでとP3への登りの凹角5m程の2回だけでした。
12本歯アイゼンやワカンも持っていきましたが出番は全くありませんでした。
そういえば、ピッケルとストックも持っていきましたが、これらも全く使わず、木の枝にひっかかって邪魔なだけでした。

チェーンアイゼン、欠点もあります。
案外、底は雪団子になりやすいです。
以前、どこかで書きましたが、横ヅレに弱いので足の甲の所にパワーバンドのあるチェーンアイゼンがお奨めです。


ハイカット登山靴 Scarpa Triolet Pro GTX

私は、堅いビブラム底靴で岩登りの訓練を受けた世代です。
その性か、今回この靴での岩は非常に登り易かった。
この スカルパ トリオレ プロ gtx は、親指の所に「 Climing Zoon 」なる部分があって、小さなホールドにも立ち込み易くなっている。
ここ数年、この程度の岩場ならローカットシューズで歩いてきたが、3点確保の岩の登りだと今回の靴の方がはるかに登り易かった。

Scarpa Triolet Pro GTX お前は期待以上の優れものだ。

ただ、むしろ 夏 を意識した靴なのだろう、保温力はたいそう弱い。
そして私には、1583m への壁登りのような、3点確保はしているが、スタンスが大きく暖傾斜の壁ならローカットシューズの方が登り易い。


 2014.01.07 奥秩父・赤岩尾根に関する 掲示板  
  ルート別の各ページに掲示板を用意しています。
  各ルート別のご意見やご質問は、それぞれのルートの掲示板にお願いします。

お名前(ニックネーム)
 御本名(ご連絡用、掲示板非表示)
タイトル
パスワード(最大8文字・全角可)(書込後の変更削除する場合に必要です)
本 文
お願い : 文章内にURL(http://・・・)は、書かないで下さい。URLを含んだ書込みは無視されます。
書込む場合は http:// の7文字を全角でお願いします。

過去の書込み修正削除:  修正削除   書込み番号   パスワード