オバカンの山
還暦後(オーバー・カンレキ)の山行記録
last update : 2021.02.28
【山  域】穂高・奥又白池
【日  付】2013年8月10日
【時  間】小梨平 2:10  明神 2:45  徳沢 3:35~3:40
      松高ルンゼ出合  5:05~ 5:20  中畠新道合流 7:45~8:00  奥又白池 9:25~10:40
      松高ルンゼ出合 12:40~12:50  徳沢 13:50~14:25  明神 15:05  小梨平 15:35
【メンバー】Tさん,私

ルート図
ルート(地図をクリックで拡大表示します)
【 夏はやっぱり穂高へ行きたい 】

今年の二月の右足クルブシ抜釘手術がお陰様で無事終わり、山に行けるようになった。 山の雪が融けてからは主に南アの3000m峰を登っていた。 長年楽しんできた山ではあるが自分でも意外なぐらい3000m峰に登っていない。 なので、日本の3000m峰は一通り登っておきたい、との気持ちから登っているだけなのでコースは普通にハイキング道だからここ「オバカンの山」にはその記録は載せていない。
夏の山は、そのなんとなく義務っぽい3000m峰登山からは解放されたいとの思いで上高地小梨平にベースキャンプを張ってゆっくりさせてもらった。
でも、まったりしすぎて小梨平に4泊もしていながら、書ける記録は僅かにこの奥又白池だけ。 それもTさんと一緒でなければ松高ルンゼの出合までで引き返していたかも知れないと言う、だらけ振りの一夏だった。



松高ルンゼ出合
松高ルンゼ出合
中畠新道は壁の左下から右上の樹林帯へ


私より1日遅れで入山し、徳沢にベースを張って、前日は蝶ヶ岳へ行かれたTさんと、徳沢で未明の4時に合流する約束になっていた。
小梨平に居る私は、2時前に目覚ましをかけた(周りの人には迷惑をおかけしてしまった)
未明に歩き出す時は、朝食は取らずに、お茶?紅茶?みそ汁?あるいは水だけにしている。その方が一日体調が良い。
但し、ザックには 朝食 兼 昼食 兼 行動食 なる食料が入っているので幾分嵩張るし重くもなる。
徳沢に向けて歩き出した。一昨日に比べて今日の空には星が殆ど出ていない。
さすがに朝も3時を廻っているので、徳沢では、起き出しているテントが結構ある。
4時集合なのに、Tさんは既に小屋前で待って居られた。

新村橋を渡り、まだワイヤーのかかった涸沢へのパノラマ径へと入っていく。
(パノラマ径は、一般登山道としてまだ今年は開通していないと言うことのようです。)
昨年の豪雨か何かで倒木がひどいと聞いていた奥又白右岸道もすっかり手入れが終わっていてあっさり松高ルンゼ出合に到着した。


松高ルンゼ内の滝 その1
松高ルンゼ内の滝 その1
この程度なのでどの滝も難しくはない

松高ルンゼ内の滝 その2
松高ルンゼ内の滝 その2
いつも湿っている程度に濡れている

松高ルンゼ内 日光キスゲに誘われて
松高ルンゼ内 日光キスゲに誘われて
松高ルンゼ内は沢芯から離れない方が登り易い

松高ルンゼ内
松高ルンゼ内
3/4ぐらいは登って来たかな?

いつものように中畠新道は避けて、松高ルンゼを行く。
中畠新道は、非常に傾斜のきつい樹林の尾根で、何ヶ所も木の根を持って高度を上げていく。
今日はまだ朝が早いので暑くはないかも知れないが、上高地に当日の朝着いてここを登る時間だとかなり暑いと思う。
岩登りのⅡ~Ⅲ級をこなせるのなら、中畠新道ではなく爽やかな松高ルンゼが断然お奨めだ。
水は無いので溯行靴は必要ないが、水と落石で沢芯はよく磨かれているので、靴底の堅いハイカットシューズより柔らかいローカットシューズが断然有利だ。
クライミングでは私より上手いTさんだが、今回は底の堅いハイカットシューズだったのでかなり辛そうだった。


最後の崩落壁
最後の崩落壁へは入らずに右の苔の付いた滝へ

最後の崩落壁
最後の崩落壁

最後の崩落壁まで来た。
以前は、この崩落が右の本谷まで届いていなかった・・・
右の苔の付いた枯れ滝を2段ほど登って、更に右手の草付に逃げると5m程で中畠新道にでる。
ここで松高ルンゼ登りは終わる。


前穂高北尾根4峰正面壁
前穂高北尾根4峰正面壁
樹林がないところでは突然視界が開けて北尾根が見渡せる


中畠新道と合流してもきつい傾斜の樹林帯の径は続く。
その樹林に隙間があると、もう目の前には前穂高北尾根が迫っている。
ここまで来ると奥又白池と北尾根5・6のコルを結ぶトラバース径まであとわずか。


奥又白池へ向かうTさん
奥又白池へ向かうTさん

前穂高北尾根
前穂高北尾根
北尾根5・6のコルへのトラバース径から見る

奥又白池と北尾根5・6のコルを結ぶトラバース径まで来た。
右を見ると前穂高の北尾根の全容が見える
左を見ると池のあるコルが見える。


奥又白池と前穂高
奥又白池と前穂高
この景色を見るために登って来た


やっと到着。
今日はもうこれで充分だ。
この先、前穂岳へも明神岳へも進む気力は無い。
でも、折角ここまで来たんだから、4峰や前穂高東壁のド迫力を見にもう一段上まで荷物を置いて見に行った。


コバイケイソウ
今年はコバイケイソウの当たり年らしい

コバイケイソウ
コバイケイソウ

前穂高を撮す
前穂高を撮す

どうしても薄くかかったガスが晴れてくれない
どうしても薄くかかったガスが晴れてくれない


奥又白越しに見る前穂高とその北尾根の大迫力は、ちょっと他では見ることができないと思う。
5月の残雪期にも来たことはあるが、雪の消えた夏が良い。
5月や6月の残雪期は、確かに「綺麗」だが、奥又白谷の荒々しさが雪に覆われて大人しく見えてしまう。
いつか、夏に、この奥又白池にテントを張ってのんびり景色を眺めていたい気もする。


でも、今日はもう帰りましょう。
帰路は、最後まで中畠新道を下っていった。
(松高ルンゼを下る場合は、ラッペルが必要な箇所があり、下降には使わない方が賢明だ。)


奥又白谷右岸径の倒木
奥又白谷右岸径の倒木
昨年の鉄砲水(?)で倒された白樺林

奥又白谷右岸の径
奥又白谷右岸の径
倒された白樺の処理は終わっている





【小梨平でまったり】
小梨平キャンプ場。それは、上高地バスターミナルから僅かに600m程のところにある。
こんなに近いから山とは思えない大きな荷物でも苦にならない。
しかし、荷物が大きいと電車やバスでの廻りのお客に迷惑がかかるので、観光客の流れの逆時間になるように、夕方入山し、早朝下山している。
バス停から近いので、山のベースキャンプと言うより、キャンパーが多く、元気ではしゃぐ子供多い。
お客が多いお陰で、水場やトイレの設備は良いし、テント場利用者はゴミ出しが出来るのが嬉しい。
車で来ているのならゴミの持ち帰りも苦にならないが、列車で横浜まで帰るのでゴミを処分してもらえるのは実に有り難い。しかも、そのゴミ回収は一日に何回も来てもらっているようで不潔感は全くないのも嬉しい。
テント場管理棟には食堂と売店と風呂がある。
食堂。これが上高地価格かと疑いたくなるほどリーズナブルだ。
味は、人それぞれ好みと言うことで・・・
味に差が出ない、枝豆に冷えたビールはいつも人気のようだ。
売店。キャンプに必要なものはおそらく何でも揃っていると思う。
コンロのガス、薪、花火。肉や野菜などバーベキューの食材。スナック菓子に菓子パン、500mlペットボトルのお茶。等々一通りある。
午後には毎日、風呂も営業している。もちろん、シャンプーとボディソープは据え置きだ。
徳沢のように炎天下のテント場でないのも有り難い。
ただ、今回は、大変な欠点にも見舞われた。
同じテント場でも見晴らしが良いなど条件の良いところは混むのは仕方がないが、すぐ風上にテントを張ったバカ親子3人。 これがひどい。バカ息子は、一日中何もせずタバコを吸っている。食事中ぐらいどこかで吸って欲しいと言ったら、どこで吸っても構わないとますますふかすバカっぷり。 両親はと言うと、毎晩のようにするバーベキューの油煙で、我がテントはベトベトのドロドロ。
こんな親子、存在自身を反省して欲しい!!!(いくら腹が立っても、存在を否定するなんて、すごい言葉ですよね。)
でもまあ、小梨平のキャンプ場が良いだけに、このような人の存在は残念だ。
次回からは、風上にテントが張れないところに設営しよう。

そんな小梨平での生活は、まず、
初日目は、新島島から2時頃に、ガラガラのバスで入山してテント設営しただけ。
2日目は、横尾谷から北穂池を目指そうと夜中1時頃に出発するも、本谷橋から先で、徒渉で濡れるか、巻いて朝露で濡れるか、どちらにしろ少しは濡れることになるのがイヤで敗退して帰ってきた。 地下足袋ワラジまで持っていったというのに・・・
午後は、上高地アルペンホテルのおかわり自由のコーヒーを飲みながら外のベンチでゆっくりさせてもらった。
3日目は、休養日。(何もしていないのに・・・)
午前中は、持っていったロイヤルミルクティをテントで飲みながら、まさにマッタリ。
午後は、徳沢のTさんのところへ遊びに行こうと、梓川右岸歩道を明神へ向かったが結構良い雰囲気の径で時間がかかり、とても徳沢まで届かないと帰ってきた。
河童橋から明神池までの梓川右岸歩道は、大正池や田代池辺りより雰囲気が良くて、私的にはこっちの方が好きだ。
4日目は、このページの奥又白池。
5日目は、9:20発の新島島行きバスで上高地をあとにした。
往路もそうだったが、横浜と新島島は鈍行の旅を楽しませてもらった。
ただ一つの反省は、18切符を使わなかったこと、ぐらいだろうか。

鈍行なので甲府で乗換になる。
そこで40℃を経験した。
反対ホームへの乗換なので、すぐだったし、日影でもあって、手足や身体では40℃は実感できなかった。
だが何かが違う。フト気が付くと、顔が風呂の湯に浸けている暑さだった。




 2013.08.10 北ア・前穂高・奥又白池に関する 掲示板  
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